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10. オーバーステイ(不法滞在)経験者

オーバーステイした過去がありますが帰化できますか?

 

最近、お問い合わせ頂く案件で増えてきているのが、過去に日本においてオーバーステイしたことがあり、一旦国に帰ったという経験があるけど、それでも帰化申請できますか?というものです。

 

そもそも、不法滞在には2種類あります。

一つは「不法入国」です。偽造パスポートや国籍等を偽って入国するパターンですね。

もう一つは「不法残留」です。日本に在留している外国人が気にしているのは「不法残留」オーバーステイのほうだと思います。在留期限が切れても更新せずにそのまま日本に滞在し続けているケースですね。

 

 

オーバーステイをすると、国外退去強制となり、さらに懲役や罰金などが科されてしまいます。入国審査官の審査の結果次第ですが、一旦退去強制となれば、その後最低5年間は日本へ入国することができません。刑事処分として3年以下の懲役または300万円以下の罰金。罪が重い場合は懲役刑と罰金の両方が課せられる事もあります。

 

国外退去となれば最低5年間日本への入国は拒否されると記載しましたが、比較的違反程度が軽い場合は、出国命令制度の利用で入国拒否期間が短縮可能となっています。

 

この出国命令制度ですが、2004年の入管法改正で新設された制度です。

こちらは、自ら出頭した不法滞在者は、身柄を拘束されることなく日本から出国可能となる制度です。

通常、帰国後は入国拒否期間が5年間(場合によっては10年間)となるところを1年間に軽減されます。

ただし、この制度を利用できる人には条件があります。

出頭の意思をもって自ら出頭した場合、不法残留以外の退去強制事由に該当しないこと、窃盗罪等の一定の罪で溶液又は禁固に処せられたものでないことなどなど、この条件をクリアしている人が使える制度です。

いずれにしましても、こういった出国命令制度で本国に一旦帰国して、入国禁止期間を経過して再度正式に日本に入られた外国人の方であれば帰化申請可能となります。

 

では、たまにご質問を受けるのですが、過去に「在留特別許可」を受けたことがある方の場合はどうなのでしょうか?

 

在留特別許可とは、先ほどご説明した出国命令制度の対象だったとしても、出頭申告していったん退去強制手続きに入り、その中で在留特別許可をもらった方です。例えば、日本人の子供がいて、まだ幼いので養ってあげないといけない場合とかですね。お母さんが本国に帰ってしまったら育ててくれる人がいない場合とかですね。

この「在留特別許可」は、法務大臣の裁量権に任されているため、100%認められるとは限りませんが、こういう人には許可が下りやすいです。

 

在留特別許可を得て日本に滞在した過去のある方に関しては、10年経過しないと帰化の要件を満たさないと考えたほうがよいでしょう。

また、配偶者も同様に在留特別許可を得ていた場合はプラス5年となります。

ただ、これ、きっちり10年、プラス5年という明確な基準はないので、罪の程度によって変わってきますので、あくまで目安としてください。

 

不法滞在というとなんだか重罪を犯したかのような扱いになりますが、在留資格の更新を忘れていたために期限を過ぎてしまうことは、外国人であれば誰にでも起こり得ます。

ただ、帰化の先には、管轄が法務省である以上、過去に法律違反をしたことがある人に対しては簡単に帰化の許可が下りません。法務省なので、そこを甘くはできないからです。

 

ただ、過去に不法滞在をしてしまっても、帰化はできるケースがありますので、もし不明な点や質問があれば、帰化のプロである行政書士に相談してみることをおススメします。

ほとんどの行政書士事務所は、初回の相談が無料となっていると思います。

当コラソン行政書士事務所でも、初回60分は無料で相談に乗らせて頂いておりますので、お気軽にお問合せください。

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