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4-3 養子縁組→帰化

帰化の緩和要件(養子の場合)についてご説明致します。

親の再婚等で連れ後として日本に来た外国人の方で、来日の時にお母さんまたはお父さんの再婚相手が日本人で、その日本人と養子縁組した場合です。

 

国籍法8条にはこのように定めがあります。

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第八条 次の各号の一に該当する外国人については、法務大臣は、その者が第五条第一項第一号、第二号及び第四号の条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。
一 日本国民の子(養子を除く。)で日本に住所を有するもの
二 日本国民の養子で引き続き一年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であつたもの

三 日本の国籍を失つた者(日本に帰化した後日本の国籍を失つた者を除く。)で日本に住所を有するもの
四 日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者でその時から引き続き三年以上日本に住所を有するもの

 

緩和される、5条1項1号、2号、4号とは次の内容になっています。

第五条 法務大臣は、次の条件を備える外国人でなければ、その帰化を許可することができない。
一 引き続き五年以上日本に住所を有すること。
二 二十歳以上で本国法によつて行為能力を有すること。
三 素行が善良であること。
四 自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができること。

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つまり、簡単に纏めますと、

外国人の子で、未成年の時に日本人と養子縁組をした人は、1年以上日本に住んでいれば、現在20歳以上でなくとも、また、生計要件を満たしてなくとも帰化の許可をもらえる可能性があるということになります。

 

条文上、5年住んでいなくとも、20歳を超えていなくとも、生計要件を満たしていなくとも、法務大臣が許可することができると記載していますが、こちら、あくまで法務大臣の裁量権となりますので、絶対に適用除外となるという意味ではありませんのでご注意ください。

 

通常、帰化申請には「年齢要件」があり、本国で成年に達していることが求められますが、日本人と縁がある場合には、簡易的な帰化が認められています。よって、未成年でも単独で帰化申請が可能ということです。

1年以上の居住とは、具体的には、養子縁組が認められ、適切な在留資格を有し、中長期在留者として住民票に載ってから1年以上の在留していることが必要という意味です。

 

生計要件には注意が必要です。

条文上は生計要件も緩和されますが、実際には養父母の生計に関する資料も提出し総合的に判断されます。養父母が無職で無収入で生活保護を受けている等の場合は帰化は難しいと考えたほうがよろしいかと思います。

また、両親と別居して、独立して生計を営んでいる場合で無収入、あるいはアルバイト等で生計を立てていて毎月の収入が不安定な場合、例えば、高校や大学を卒業していて、一人暮らしをしているのに安定した収入がない場合は、審査官の目線からはこの人を帰化させても、この先どうやって安定した収入を得られるのか不明なので、許可を出す可能性は低いかもしれません。

帰化の際は必ずしも正社員である必要はないですが、アルバイトの場合に生計の安定性を主張するのはたいへんです。

その申請者が10年後も、安定して毎月収入を得られているかどうかの保証がありませんので。

 

ちなみに、15歳未満の方の場合は、「日本語能力テスト」もありませんし、直筆で書かねばならない「動機書」を書くことも求められません。

ですから、未成年のうちに日本人と養子縁組した連れ子に方に関しては、養子縁組をして1年経過後くらいに若いうちに帰化申請したほうが許可が下りる可能性が高いのでお勧めします。幼いうちであれば、通常はご両親の収入で生活しているでしょうし、ご両親の収入や納税の書類を提出することで帰化申請可能です。

 

幼い時に日本人と養子縁組して、そのまま定住者の在留資格で日本に住み続けていて、既に20歳を超えて、親からは独立してしまった方で帰化したい方は、養子縁組の緩和措置とは別に、10年以上日本に居住していて、1年正社員として働いている実績があれば、それで帰化要件を満たすというものが使えますので、そちらで申請することも可能です。

 

帰化の許可不許可に関しては、法務大臣の裁量権が広く、要件を満たしているからと言って必ずしも許可が下りるとは限らない所が難しい所です。

ただ、審査官の目線からは、とにかくその申請者の方が、安定した毎月の収入があって、10年、20年後も日本人として安定して生活ができるかどうかを重視します。

ですから、帰化したい方は、まずは生計要件を満たすようにしましょう。

基本的には、正社員で3年以上働いていて、毎月の手取りが18万円くらいあれば要件を満たすと考えられます。

 

ちなみに、預貯金の額の多い少ないは審査に影響がありません。貯金が少なくとも毎月の収入が安定している方で帰化の許可が下りた方はたくさんいます。

 

みなさんも、今は要件を満たさなくとも、1年後に満たすとか、そういう方で何かお悩みがあれば遠慮なくご相談ください。

初回60分無料でご相談が可能となっております。

 

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